帰農、今日、明日

23年取材・制作 蜜山 弘和・舞希

今では”私の場所”の大好きな生月。
愛情たっぷりに育てた牛たちを通して、
全国に生月のことを知ってもらいたいです。

畜産農家

蜜山 弘和・舞希

Hirokazu&Maki Mitsuyama

昨年結婚した蜜山さんご夫婦。福岡市在住の舞希さんが平戸市生月にある友人の飲食店に通う内に、生月で畜産農家を営む弘和さんと出会った。将来、家を建てて玄関を開けたら牛がいる生活が夢だった舞希さん。実直な弘和さんに惹かれ、畜産農家の仕事に慣れるのに時間はかからなかった。

大切に育てた牛を手放す心境を舞希さんに問うと、「最初泣くかと思いましたが、泣かない自分に驚きました。ペットと違う・経済動物だと割り切れているんだなと。今では体重や相場を考えながらこの子たちと接しています(笑)」と逞しく答えた。

恵まれた環境で二人が愛情たっぷりに育てた生月の牛の知名度はますます伸び続けるはずだ。

  • 餌やり時に一頭一頭優しく声掛けする舞希さん。 餌やり時に一頭一頭優しく声掛けする舞希さん。「一緒にいればいるほど、触れ合えば触れ合うほど懐いてくれるのがやりがいです」。
  • 就農6年目の弘和さん。 就農6年目の弘和さん。前職がJA畜産指導員なだけに「経済活動としての農業」を熟知する、平戸畜産業界でも頼もしい存在だ。
  • 競り会場「JAながさき西海 平戸口中央家畜市場」 競り会場「JAながさき西海 平戸口中央家畜市場」。長崎県北の牛が集ま る。 
  • 出荷日、牛をトラックへ。
  • 競り直前「頑張ってね。行ってらっしゃい!」と、優しくブラッシング。
  • 左下写真の牛は55万1千 円で落札。「今は全体的に価格下落中で、良い時の約3割減。厳しいけど仕方ない。我慢の時です」と二人。
  • 「大好きな生月を知ってもらうきっかけを作りたい」との舞希さんの要望に、友人の映 像カメラマンが応えた結婚式のプロフィールビデオのシーン。生月のプロフィールビデオ としても使えそうな素晴らしい仕上がりとなった。(提供:馬場修平氏)

Interview

―農業の世界に入られたきっかけを教えてください。

【弘和(以下、弘)】実家の畜産業をもっと大きくしていきたいという想いがあってです。
【舞希(以下、舞)】「ヤギを飼って生活するという夢を叶えてくれる人を紹介して」と生月の友人に相談したら、連れてきてくれたのが弘和さんでした。人生を動物と一緒に過ごしたかったので、「万歳! よし! これで死ぬまで牛と一緒!」と言う感じで結婚して、そのまま就農した感じです(笑)。

―実際に農業をやりだしてのつらさや、逆に楽しいと思うことは?

【舞】朝起きるのはつらいけど「早く餌やりに行かないと」って思います。
一緒にいればいるほど懐いてくれるので、やっぱりそこがやりがいですね。
【弘】やりがいは、手をかけただけ愛情を注いだ分だけ結果に出るところ。つらさは、やはり生き物相手なので、分娩時や成長過程で後悔が残るような事故があった時ですね。

―農業に向いている人はどんな人だと思いますか?

【弘】我慢強い人。結果が出なくて悩む時もあるけれども、自分が手をかけた分だけ結果が出る・愛情を注いだ分だけ返ってくるので、そこにやりがいを感じることができるならぜひやるべきだと思います。
【舞】農業と言うよりI ターン者の立場として、実際移住する前にまずその土地に何回か行く方がいいかと。そして、その土地でどういう仕事をするのかというのを分かった上で行くと、何かあった時でも後悔しないと思います。

―最後に、平戸で就農を考えている方々にメッセージをお願いします。

【弘】先輩農家や、我々みたいな若い生産者もいます。農業においては仲間作りは大事ですね。私たちも仲間になってくれる人が来てくれると、本当に嬉しいです。
【舞】私は平戸よりも生月派なので、生月を好きになってもらって一緒に相談だったりとか、助け合える人たちが来てくれたらいいなと思います。

動画紹介

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